すっ飛び籠(1952年)


監督:マキノ雅弘
脚本:伊藤大輔
撮影:宮川一夫
主演:大河内伝次郎
ユーチューブで見ました。河内山宗俊の話ですが、監督、脚本、撮影、主演と一流がそろった映画です。中でも脚本が、好いですね。伊藤大輔の時代劇は最後が捕り方に囲まれて、壮絶な立ち回りで終わりますが、今回はその手前で、河内山が遠くに見える御用提灯に囲まれているところで終わって、画面に余韻を持たしています。ストーリー的にも、使命を果した市之丞が、すっ飛び駕で三千歳の許へ戻るところは、描いていません。三千歳のなかを、断たれた直次郎も捕り方に囲まれる前に、川に突き落としてしまいます。そこで、この4人のこれからの展開は描いていません。これが好いですね。宮川一夫の画面は奥行のある、きちっとした構成で、それぞれのカットが、決まっています。